極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「はい」

素直に従って皿を運ぶと、前園が紅茶を持ってきた。

カップも見つけたんだ。

ここは一体誰の家なのだろうか?と誰かに問いたくなる。

この狭くてフリルだらけの部屋に前園がいるのはすごくミスマッチのはずなのだが、本人はすっかり馴染んでいるし、なぜかご機嫌。

「頂きます」と言ってふたりで食べ始めるが、彼が作ったフレンチトーストはとても優しい味がした。

手際がいいし普段から料理をしているのだろう。

「……美味しい」

自然と口から言葉が出たが、こいつは「俺が作ったんだから、当然」と俺様発言をする。

「料理するんだ?」

意外そうに聞けば、前園はフッと微笑した。

「まあね。人に食べさせたのはお前が初めてだよ」

その口説き文句、他の女にも言ってるでしょう?

この女ったらし!

スーッと目を細めてこいつを見据える。
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