極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
ニコッと微笑んで答えるが、顔が引きつった。

前園と寝たなんて死んでも言えない。

「昨日の店の会計、全部前園さんが払ってくれたんですよ」

美希ちゃんの言葉に驚いた。

あんな高いワインたくさん飲んだのに?

「え?そうなの?」

私が聞き返すと、彼女はにこやかに頷いた。

「太っ腹ですよね」

美希ちゃんのコメントに、私は心の中で突っ込んだ。
あいつの腹筋は割れてるけどね。

あー、もう前園のことは考えるな!

自席に座ると、バッグからシュシュを取り出して素早くひとつにまとめる。

その時、常務室から片桐君が戻ってきて、私の後ろで立ち止まった。

「……藤宮さん、うなじのところ、赤くなってますけど」

片桐君に教えられ、カチンと固まる私。

まさか……キスマーク?

「ん?なんだろ?変な虫にでも刺されたかな?」

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