極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
込み上げてきそうな涙を必死に抑え、私の肩にある彼に手の甲をギュッとつねって怒った。

「触るな。油断も隙もない」

「イテッ」とわざとらしく呻いて顔をしかめる前園。

普通の男ならかなり三枚目に見えるところだが、こいつがやるとなぜか魅力的に見える。

それがすごく憎たらしい。

「藤宮、少しは手加減してくれよ。お前の爪の痕がクッキリ残ってんだけど」

前園は私に見せつけるように手をさする。

「それで済んで良かったわね。次は血を見るわよ」

冷淡な声で警告すると、こいつは楽しげに頬を緩めた。

「その氷のような目。それでこそ俺の柚月」

前園の発言にゾゾッと寒気がする。

「……あんたマゾなの?それにいつ私があんたのものになった!」

自分の肩を抱きながら反論すれば、こいつはニヤリとした。

「いずれ俺のものになるよ」

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