極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
彼女に暗示をかけるように心の中で念じる。

いつのまにか自分がキスに夢中になってしまい、やめられずにいると、ガチャッとドアが開いた。

ハッと我に返る俺と柚月。

「あっ……」

応接室の中に入ってきた高野が、抱き合ってた俺達を見て気まずそうに声を上げる。

俺と柚月は彼を見てパッと離れた。

「わ、私行かなきゃ!」

彼女はあたふたしながら応接室を出て行く。

バタンとドアが閉まると、高野がポリポリと頭をかいて謝る。

「ごめん。邪魔しちゃったな。十三時から来客予定でさ、プロジェクターの用意しようと早めに来たんだけど……」

「謝るなよ。俺達の方が邪魔だった訳だし、高野が来てくれて助かった」

出なければきっとキスだけじゃ終わらなかったかもしれない。

ニコッと笑って言えば、高野も少しホッとしたような顔で俺を見てクスッと笑みをこぼした。
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