極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
俺がいなくなったらこいつが課長に昇進する予定だし、噂話に興じてもらっては困る。

「牧、同僚をゴシップのネタにするなよ」

やんわりと注意すると、牧は苦笑いしながら謝った。

「すみません。でも、気になるんですよね。前園さんが狙ってるのは秘書課の藤宮さんだし、白石が知ったらショックだろうなって」

「まーきー」

言って聞かないのでひと睨みすると、こいつはペコッと頭を下げて言い訳した。

「あー、すみません。白石と一緒にいる俺としては彼女のことが心配というか」

ふーん、それって……。

「つまり、お前は白石さんが好きなわけだ」

そう指摘したら、牧はポカンとした顔をする。

「……え?」

……無自覚か。

「お前、他人のことはよく気づくのに、自分のこととなると鈍いのな」

「……俺が白石を?そうなんですかね?」
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