極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
能天気な母に怒りを覚える。
「八月の最初の日曜日ってもう十日しかないじゃない。無理。心の準備が出来ていない」
顔をしかめて突っぱねるが、母はわざとらしく溜め息をついた。
『あんたって意外と臆病よねえ。親は同席しないし、当人同士だけだから、気負わなくていいわよ』
「余計緊張する。断って!」
『柚月も来年三十よ。こんないいお話滅多にないわ。会うだけでもいいから会って来なさい。いいわね』
念を押すと母は一方的に電話をブチッと切る。
「ちょっ……お母さん!」
受話器に向かって叫ぶが、返答があるはずもなく、そのまま力なく受話器を元に戻した。
かけ直す気力も今の私には残っていない。
見合い……かあ。
ベッドに仰向けになり、母が送ってきたメールをもう一度見る。
相手の男性の名前は、渡辺翔一。
「八月の最初の日曜日ってもう十日しかないじゃない。無理。心の準備が出来ていない」
顔をしかめて突っぱねるが、母はわざとらしく溜め息をついた。
『あんたって意外と臆病よねえ。親は同席しないし、当人同士だけだから、気負わなくていいわよ』
「余計緊張する。断って!」
『柚月も来年三十よ。こんないいお話滅多にないわ。会うだけでもいいから会って来なさい。いいわね』
念を押すと母は一方的に電話をブチッと切る。
「ちょっ……お母さん!」
受話器に向かって叫ぶが、返答があるはずもなく、そのまま力なく受話器を元に戻した。
かけ直す気力も今の私には残っていない。
見合い……かあ。
ベッドに仰向けになり、母が送ってきたメールをもう一度見る。
相手の男性の名前は、渡辺翔一。