極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
三十三歳で小児科医。

都内の大学病院勤務。

母の言うように顔は整っている。

「優良物件だよね」

でも、前園とあんなことがあって、頭がすぐに切り替えられない。

ああ〜、もうどうしよう!

断るなら、すぐに母に電話して仕事があるからとか言い訳すればいいのだ。

それなのに行動に移せない。

この見合いを受けたら前園のことなんか考えなくて済む。

あいつから逃げられるって思う自分がいる。

……逃げるなんて卑怯な真似嫌なのにな。

「ああ、もうお弁当食べよ!」

コンビニで買ってきた弁当をレンジでチンする。

何気なくキッチン周りを見たら、朝使った食器が置かれていた。

綺麗に汚れは落としてある。

「前園、洗ってくれたんだ」

皿を見ながらポツリと呟いた。
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