ぽっちゃり彼女を手に入れる方法
「う……ん……?」
朝日が眩しい。
目を擦ろうとして動かした腕が何故か軋んで痛かった。
ゆっくり瞼を開けると見慣れない場所にいると分かった。
目の前には綺麗な肌と筋肉を惜しげも無く晒している"彼"がスヤスヤ気持ち良さそうに寝ている。
って………え!?
なんで彼が?
というかどうして私が多分彼の部屋であろう場所で寝てるの!?
驚きで眠くてぼんやりしていた頭がいっきに眠りから覚めた。
そして彼も私も裸であることが分かる。
昨日は確か先輩から飲み会に誘われて、二次会から何故か彼が合流して一緒に飲むことになって……
その後は記憶が曖昧だが、彼の部屋でのことは何となく体が覚えていて"ボンッ"と顔から火が出たように真っ赤になる。
いつもは"伊東さん"と呼ぶのに昨日は"莉央ちゃん"と聞いたことがないくらい甘い声で何度も名前を呼ばれた。
思い出して悶絶していると彼が身じろぎして私を抱きしめた。
「……んっ」
思ったよりも強い力で容赦ない抱きしめ方に戸惑う。
「…高嶋さ……っ、くるし…」
彼には聞こえてないようだ。苦しさに抵抗しようとすると彼の力が少し緩む。
ほっとしているのも束の間、彼の顔が私の胸にすっぽりと埋まった。
「…え……ちょっと、まって」
ーちゅっ
「……はぁ……りお……いいにおい…」
………………っ!!!!!!
エロいです……
その声はエロ過ぎじゃないですか…!?
イケメンが自分の胸に顔を埋めて幸せそうにぱふぱふしている。
しかも私の胸はキスマークと歯型で容赦ないほど紅く染まっている。
……もしや、もしかしなくても高嶋さんっておっぱい大好きな人なんだろうか。
その事実に辿り着いて「なーんだ。」と「やっぱりなー。」という気持ちになった。
こんなに格好良くて、仕事も出来て、有名大学卒のエリート様が私に求めることなんてそれくらいしかない。
平々凡々の私だが、唯一人より突出している事とすればまさに"胸"だ。
自慢じゃないが私はFカップあり、聞く話によると一部の男性からかなり好かれる体型をしているらしい。
自分では痩せたいのに痩せれないからこの体型はかなりコンプレックスだ。
つまり高嶋さんはその"一部の男性"の中の一人ということなのだろう。
………あぁ。
あれだけこの人には近づかないようにしようとしてたのに…。
何となくではあるが、彼からの好意には気づいていた。その"好意"が私の身体に向けられていることも。
どうして私はまんまと彼の誘惑に負けてしまったのだろう…
馬鹿すぎて悲しくなる。
それもこれも全ては私が彼に惹かれてしまっているからなのだが、この気持ちはひっそりと閉まっていようと思っていたのに。
これ以上好きになると戻れなくなる。
そう思い必死に押し込めていたのに。
だって彼は私の"身体が好き"だから抱いてみたかったのだろう。
試して良ければまた誘うか、ダメだったら呆気なく他人に戻るだけ。
彼の事を女性を傷つけるような人とは思わないし、彼のそういった悪い噂を聞いた事はない。
いたって真面目な良心を持ち合わせた人だとは思う。
…かなり美形な容姿を除いては。
この人には何をしても許されてしまうのではないかという不思議な魅力があるのだ。
思いを巡らせているといつの間にか組み伏せられていた。
その間身体中を舐められていたらしい。ぬるぬるのべとべとだ。
彼の舌が私の首筋を舐め上げながら耳元へ近づく。
「……莉央…してもいい?」
「……っん」
「かーわい。本当にぜーんぶ可愛いなぁ、莉央は。」
かなりご機嫌なのか彼の色気が凄まじい。甘い声が怖い。
誰か助けて。本当に。
「…あ、高嶋さん……待って下さい。昨日は何かの間違いですよね……?」
「……あ?間違い?」
途端に彼の目が据わったのが分かった。
あれ…
ちょっと間違えたかも………?
「そっかぁ、莉央ちゃんは"間違い"だと思ってるんだ?」
「……え、あ、その……。」
「まあいいよ。ゆっくり教えてあげるから。俺がどれだけ莉央ちゃんを欲しくて堪らなかったか。昨日あれだけ身体に教えたはずなんだけどなぁ。俺が莉央ちゃんの"安心できる彼氏"になるから。」
彼の雰囲気にのまれてしどろもどろになっているうちに彼の指の侵入を許してしまった。私のナカで自由に動かされ、何故か私が知らなかったイイ場所を当たり前のように刺激してくる。
「……ん!……っ!!だめぇ…」
涙が浮かんで顔がぐちゃぐちゃに歪んでいるに違いない。でも自分ではどうしようもない。
ひどい事をしているはずの相手に無意識に助けを求め縋る。
「……ふっ。莉央、その顔ヤバい。可愛過ぎるから俺以外に見せたら駄目だよ?」
その間にどんどん追い詰められて必死に意識を保つ。
だめ、だめ、だめ。
"可愛い"なんて言葉だけだ。思ってもない言葉なんかに浮かれて喜んじゃだめ。
「我慢しないでいいからな?沢山イくとこ俺に見せて。」
「……いやっ」
ふるふると震えながらも抵抗するが彼がそれを許さない。もう我慢も限界が近いことは分かってる。
「莉央ちゃんが嫌でも関係ないよ。俺が見たいから満足するまで見せてもらう。」
「……うっ……なんで、……っっ!!」
体が耐えきれずに硬直して痙攣する。波が引いてじわっとまた涙が零れた後、体から力が抜けて脱力した。
「…あぁ、くそ可愛い……っ。莉央………もう俺のものだ……」
その後記憶がなくなるまで散々ヤリまくられた。
彼は余程私のおっぱいがお気に召したのかもしれない。
でもこれ以上は怖いのでほどほどにして欲しいです………