その瞳に映るのは・・・
実はここは隠れた名店。


開店から少しすると常連の人達で賑わい


お昼近くになるとランチをする人達が席をうめる。


前は朝の常連さんたちと一緒に珈琲と朝御飯をここですませていた。



「あとで田辺さんに挨拶しておけよ」


そういいながら颯はすでに違う作業をし始めている。


[田辺(たなべ)さん]常連の1人で私の2つ離れた席に座るポッチャリとした丸眼鏡が似合うおじさん。


たしか時計屋さんの人で毎日違う腕時計をつけていた。


これは商売なんだ!とかいってたけど奥さんに怒られてるんだろうな。


何度か怒られてる所を見かけていたのは内緒。


「『真尋(まひろ)ちゃんどうしてるんだい私は心配で心配で』って何回も言ってぞ」


野太い感じの声をだし田辺さんの真似をする

地味に似ていて思わず吹き出してしまった。


「あはは、似てる!」


平然といつものトーンに戻すのでさらに笑いが止まらない


「うん、次会えたら謝っとくよ」


しばらく笑ったあとそう言った。


「そうしとけ」といい空いたコップを下げ
私に背を向けてそのコップを洗い出す。
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