年下御曹司は初恋の君を離さない
プロローグ
年下御曹司は初恋の君を離さない プロローグ
「……嘘よね?」
「嘘じゃないですよ、未来さん」
キレイな顔をした男は、その薄い唇にゆっくりと笑みを浮かべた。
その笑い方が記憶の片隅にあるものと同じで、やはり目の前の人物が言っていることは本当なのだと裏付けている。
ここは、小華和堂本社ビル最上階。
所謂上層部の人間たちしか入ることが許されないエリアだ。
それも、ここは副社長室である。
今は、この部屋の持ち主はいない。
ここの持ち主だった初老の副社長は、現在入院中だ。
すぐに命に関わる病を抱えているわけではないのだが、ここ数年体調が思わしくなかった。
今回の入院を機に、副社長職を降りて治療に専念するらしい。
そこで、次の株主総会のときに新副社長として、会長の孫であり、現社長の息子が後を引き継ぐことを採決する予定である。
一応の手順を踏むだけで、ほとんど議決されることは確定していることだ。
「……嘘よね?」
「嘘じゃないですよ、未来さん」
キレイな顔をした男は、その薄い唇にゆっくりと笑みを浮かべた。
その笑い方が記憶の片隅にあるものと同じで、やはり目の前の人物が言っていることは本当なのだと裏付けている。
ここは、小華和堂本社ビル最上階。
所謂上層部の人間たちしか入ることが許されないエリアだ。
それも、ここは副社長室である。
今は、この部屋の持ち主はいない。
ここの持ち主だった初老の副社長は、現在入院中だ。
すぐに命に関わる病を抱えているわけではないのだが、ここ数年体調が思わしくなかった。
今回の入院を機に、副社長職を降りて治療に専念するらしい。
そこで、次の株主総会のときに新副社長として、会長の孫であり、現社長の息子が後を引き継ぐことを採決する予定である。
一応の手順を踏むだけで、ほとんど議決されることは確定していることだ。
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