年下御曹司は初恋の君を離さない
7

「どうして!? ここに副社長が」
「未来さん、違うでしょう?」
「っ……、友紀ちゃんがいるの!?」

 自分の部屋から友紀ちゃんを追い出すことに成功した私は、慌ててパジャマを着替えてリビングに降りてきた。
 だが、この光景に目眩がした。どうして我が家のリビングで友紀ちゃんはくつろいでいるのだろう。それも自然体である。

 疑問を咄嗟に彼にぶつけた私だったのだが、彼に嗜まれた。
 未来さん、と私の名前を呼んで制止させた彼は確かに笑っている。だが、目が笑っていなかった。

 何度言ったらわかるのかなぁ、という彼の心の声が聞こえた気がする。
 そして、先ほどキスをされたときに言われた言葉を思い出して慌てて名前で呼んだのだが……恥ずかしさが込みあげてくる。

 そして、実は一つ追加もされてしまった。

 プライベートのときは『友紀ちゃん』で呼ぶということと、敬語はやめるということ。
 出会った頃の未来さんでいてほしいと懇願されてしまったのだ。

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