年下御曹司は初恋の君を離さない

「友紀ちゃん!?」
「ダメだよ、未来さん」
「え?」
「やっと未来さんの視線を感じられる場所までやってきたんだ。もっと、俺のこと見ていて?」

 フフッと可愛らしく笑う友紀ちゃんを見ると、女子高校生だと思っていた頃の面影と重なる。
 やっぱり同一人物だ。頭ではわかったつもりでいたのに、どこかで別人だと思っていたのだろう。いや、思い込みたかっただけなのかもしれない。

 過去の思い出や、そして今の彼との会話が一つのモノになっていく……

 すると、ますます今の友紀ちゃんに親近感が沸いてしまい、胸の鼓動があり得ないほど高まってしまう。

(どうしよう……私。かなり意識しちゃっているのかしら)

 女子高校生だと思っていた頃に告白され、そしてオトナな男性になって再び私の前に現れた友紀ちゃんからも告白された。
 こうもまっすぐに想いをぶつけられてしまうと、逃げることなんてできなくなってしまう。

 私は逃げたいのだろうか、このまっすぐな想いから。それとも……手を伸ばしたい?

 ふと、自分の手を見つめる。彼の手が私の手をすっぽりと包み込んでいた。
 指先から伝わってくる熱をより意識してしまい、顔が火照ってしまう。
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