年下御曹司は初恋の君を離さない
「可愛いなぁと思って」
「え?」
「未来さんが、とっても可愛い」
「なっ!」
「食べちゃいたいなぁ」
「!」
私の手を握っていた友紀ちゃんが、ニッコリと笑いながら私の顔を覗き込む。
そんなに顔を近づけてきたら、視線を逸らすことが困難になる。
顔が熱い。身体も熱い……。視線を泳がせる私を見て、友紀ちゃんの笑みはより深くなった。
「ああ、本当に可愛い」
「……からかわないでちょうだい」
視線を逸らすことができず、私は顔を背ける。
ドキドキする。それに頬が熱い……。それを隠すには、彼から顔を背けるしか方法はなかった。
それなのに、彼は私の頭を抱き寄せて、耳元で囁く。