年下御曹司は初恋の君を離さない

「本気ですよ、未来さん。今日の未来さん、めちゃくちゃ可愛い」
「っ!」
「ねぇ、未来さん……知っています?」
「な、何を?」

 声が震える。恥ずかしさで居たたまれない私は、ただその場に突っ立っているしかできない。

 こんなふうに男性から可愛いなどと言われたことがないのだから、テンパっても仕方がないだろう。
 それなのに、友紀ちゃんは私をもっと恥ずかしさの淵に追いやっていく。

「俺はね、高校生の頃から未来さん一筋なんですよ」
「ひ、ひ、一筋って」

 まさかという気持ちで呟くと、友紀ちゃんは面白くなさそうに低い声で言う。

「一筋ですよ。未来さん以外の女なんていらないし」
「いらないって……」
「言葉のままですよ、未来さん。だから、俺は……恋人を作ったことがないんです」
「っ!」

 驚きすぎて恥ずかしさも吹き飛ぶ。視線を彼に向けると、そこには熱情をたっぷり含んだ瞳が私を射貫いていた。
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