年下御曹司は初恋の君を離さない
そんな私を見て、友紀ちゃんはクスクスと楽しげに笑い出す。
だが、先ほどのように大声を出して反論するわけにもいかない。
私は恨みがましい視線を彼に送りながら、小声で抗議する。
「笑わないでよ……」
恥ずかしさで顔を赤らめていると、友紀ちゃんは掴んでいた私の手を強引に引き寄せてきた。
「え!?」
すっぽりと自分の身体が彼の腕の中に収まってしまう。
私が友紀ちゃんを女の子だと思っていた頃と比べ、彼の身体がどれほど成長をしたのか目の当たりにする。
慌てふためいている私の耳元で、友紀ちゃんは胸が締めつけられるほど切ない声で囁く。
「未来さん、好き」
「っ!」
一瞬頭の中が真っ白になった。