年下御曹司は初恋の君を離さない

 焦る気持ちを横にいる藤司さんに悟られないように、なんとか平静を保とうと努力する。
 だが、その努力は次の瞬間。木っ端微塵に砕け散った。

 私の腕を、藤司さんが掴んできたからだ。

「未来、話がある」
「え?」

 ビックリして身体を硬直させた私の腕を掴んだまま、藤司さんは友紀ちゃんたちの後を追わず、そのまま反対方向へと私を連れ出したのだった。
  
 
< 186 / 346 >

この作品をシェア

pagetop