年下御曹司は初恋の君を離さない

 そう……していた。過去形である。
 今はというと、彼の気持ちを受け入れている。それは自分の気持ちに気がついたからだ。

 友紀ちゃんが好き。

 今の私なら素直に伝えることができそうだ。だけど……

 先ほど藤司さんから送られてきたメールを見て、盛大にため息をつきたくなった。
 せせらぎとの仕事が終わらない限りは、友紀ちゃんに自分の気持ちを伝えることは困難だろう

 友紀ちゃんには、せせらぎとの仕事に集中してもらいたいし、秘書である私としても専務には頑張ってもらいたいと思っている。
 だからこそ、プライベートで気持ちを揺さぶるべき時期ではないだろう。

 本当は早く告げてしまいたい。そう思っていることも確かである。
 だけど、私は真剣に仕事に取り組む友紀ちゃんを尊敬しているし、好きなのだ。

 それには、今。藤司さんとの関係性を知られるわけにはいかないし、私が友紀ちゃんに想いを告げるわけにはいかない。
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