年下御曹司は初恋の君を離さない
だが、俺は未来さんに危害を加える人間は誰だって許さない。それは血の繋がりのある実父であってもだ。
俺は意地悪く口角を上げ、父さんに宣言する。
「俺は会わずして断りますよ」
「友紀! それはちょっと」
明らかに青ざめて慌てる父さんに視線を向け、ニンマリと笑って見せる。
俺の表情を見た父さんは、怯えたように顔を引き攣らせた。
「父さんが持ってきた縁談でしょう? ご自分で責任を持って処理してください」
「友紀、そこをなんとか」
懇願してくる父さんだが、素知らぬふりをする。
「俺は忙しくなりそうですから、こういうことは社長に任せます」
きっぱりと言い切る俺を見て、父さんは諦めてくれたらしい。
恨みがましい目をしたあと、スコスコと部屋を出て行った。