年下御曹司は初恋の君を離さない
呆気に取られていた私だったが、すぐに眉間に皺を寄せる。どうして友紀ちゃんは、私を止めたのだろう。
かなり勇気がいる告白をしようとしていたのだ。それなのに、なぜ?
不服を唱えようとする私の唇に、友紀ちゃんはチュッと音を立てて軽く啄んだ。
「未来さん」
「なによ」
すっかり臍を曲げてしまった私に苦笑したあと、友紀ちゃんは困ったように眉を下げた。
「すっごく聞きたいけど、今は言わないで」
「え?」
友紀ちゃんは私が何を言い出そうとしたのか。予想が付いたのだろうか。
それなら最後まで言わせてほしかった。彼だって私からの返事を待ってくれていたと思うのに、どうして話を中断させたのだろうか。
首を傾げると、友紀ちゃんは真剣な面持ちで私の頬を撫でる。