年下御曹司は初恋の君を離さない
だけど、とても幸せな顔をしていたので、当時の俺はホッとしたというのが本音だ。
母さんは仕事が任務満了となって日本に戻ることになったのだが、俺はそのままNYにいることに。
大学を卒業したいというのもあったが、そのままNYに残りMBAを取得しようと思っていたからだ。
実のところを言うと、NYへやってきた頃は小華和堂を継ぐ気は全くなかった。
大学卒業後は、外資系会社に就職。そして、頃合いを見計らって未来さんに接近しようともくろんでいた。
だが、とある伝から未来さんが小華和堂に入社したという一報を受けたので、人生設計を大幅に変更。大学卒業後は小華和堂に就職することを決めたのだが……
問題は残されている。今すぐには俺が日本には戻れなかったからだ。当時、大学二期生。まだ卒業までは時間がある。
それまで、どうやって未来さんを不届きな輩から守ればいいのか。
未来さんはとても魅力的な女性だ。
そんな彼女は、いつも男性の視線を捕らえて離さないだろう。
しかし、だ。魅力溢れる彼女は、自分が中性っぽいと思っていて男にモテるはずがないと思いこんでいるのだ。
確かに、大学生の頃の彼女は中性っぽい雰囲気だった。そう見えるように彼女本人がしていたのだから、中性っぽく見えてもおかしくはないだろう。