年下御曹司は初恋の君を離さない
だって、早く未来さんに会いたかった。とにかく、ずっと恋い焦がれていた人に愛を告げたかった。
だけど、何も社会人として実績がない俺が彼女の目の前に立ったとしても、男として見てもらえるとは思えない。
だからこそ、グッと我慢をして日々仕事に、勉強に励んだのだ。
長く耐える日々は終わった。
今は、彼女の側にいることができる。それがうれしかった。
未来さんは、男性に対してトラウマがある。
それは学生時代に痴漢に遭ったり、ストーカー紛いなことをする男たちがいたからだ。
だが、それとは別に……
俺は首を横に振って、小さく息を吐き出した。
明日から使うことになるデスクに寄りかかり、天井を仰いだ。
さぁ、準備は整った。
いつ、彼女を我が手に引き寄せても大丈夫な盤石は築いたつもりだ。
明日からは、俺が未来さんを守る。
貴女の柔らかく、脆い心を。
そして、貴女の可愛らしい笑顔を。