失礼ですが、強い女はお嫌いですか?


レオネル・シャンディアは、祖父を王弟に持つシャンディア公爵家の長男。
父は国王の学友であり、現在は防衛大臣を勤めている。また、次男は騎士団に所属し、若いながら実力を認められていた。

かく言うレオネルもまた、若干二十一歳にして宰相の側近という地位を手に入れており、将来の躍進が注目されている。
また、地位と合わせて、整った顔立ちと婚約者がいないということもあり、現在、王宮内で結婚したい相手候補No.1としても熱い視線が注がれていた。


「わかった。俺が悪かった。よく帰ってきたな、ケイト。それで、結果は?」


艶やかな黒髪をかき上げながら机から身体を起こしたレオネルは、涼やかな青い瞳をケイトに向ける。

鼻筋のとおった精悍な顔つきで、魅惑的な色気とどこか冷たさを感じさせる目元を持つレオネルは、さながら月夜を全て支配する王のようで、見慣れていても視線を向けられるとゾクリとする。

ただし、中身を知ってしまうとその高揚感は一瞬ですぎさってしまうのだが。
< 23 / 46 >

この作品をシェア

pagetop