翼の折れた鳥たちは

「星原さん、ちょっといいかな?」

業務を終えて、今日も屋上へ歌を歌いに行こうと思っていた時だった。

部長が私を手招きしながら呼ぶ。

いかにも深刻な表情を浮かべている部長。


いよいよ、答えを尋ねられるのかな?

まだ見つからない答えを探しながら、部長の下へと足を進める。



「明日から入院予定の患者、担当してくれない?」

「えっ?」

2年目にしてこんなこと初めてだ。

いつもなら朝礼で、その日に入院する患者の担当は割り振られるはずなのに……。

てっきり、私の進退を尋ねられると思っていたから、予想外の部長の言葉に思わず驚きの声をあげた。


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