翼の折れた鳥たちは
「だって、俺さ。葵ちゃんのこと……」
「星原さん、3階で木下さんが呼んでるって」
タイムオーバー。
内線を受け取ったリハビリ助手の竹内さんに話しかけられて、敦也くんが口を噤む。
「ごめんなさい。敦也くん、もう行かなきゃ」
「うん。俺は、大丈夫。行ってあげて」
大丈夫だなんて、嘘。
すごく傷ついた顔しているじゃない。
「敦也くん、話の途中だったじゃない?」
「あぁ、大丈夫!!たいした話じゃないから」
敦也くんの言いかけた言葉は何だったのだろう。
そんなことが気になったけれど、私は木下さんに呼ばれていた私は急いで3階までの階段を駆け上った。