翼の折れた鳥たちは
「星原さん、最近いい顔してるな」

私がお礼を伝えると部長が私の顔をまじまじと見ながら、口を開く。

「あっ、ありがとうございます。最近、仕事が楽しくって」

私の言葉に何度か大きく部長が満足したように頷いた。


敦也くんとのリハビリを通して彼が段々と良くなってきている姿を見ていると、理学療法士ってとても素敵な仕事だなって心から思えるようになった。

きっと、それが部長にも伝わったかな。

部長に褒められて、心が明るい。



「だけど、星原さん」

そんな思いを巡らしていた私に、部長は少しだけ声のトーンを落として諭すよう喋り始めた。

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