翼の折れた鳥たちは
『星原さんは気にしないでね。星原さん1人が協力して同行しても、どうにもならないかもしれないのよ』
結局はバリアだらけの老朽化の目立つ体育館で行われるイベントだけあって、観客席に辿り着くためには車いすを数人で持ち上げる必要すら出てくるらしい。
『私、もう少し協力してくれそうなスタッフを探してみるわ。シフトが決まっているから、なかなか難しいかもしれないけれど……』
「敦也くん、どうにか連れて行ってあげたいんです」
せっかく敦也くんが外に飛び出すチャンスだと思ったのに、こんなことで潰したくなんかない。
そんな思いがさっきから沸々と私の中で沸き起こってくる。