翼の折れた鳥たちは
「ごもっともな意見だな」

感情なんて含めない口調で部長が口を開く。

「敦也くんを車いすバスケに連れていくためには、私はどうしたらいいのでしょうか?」

「敦也くんの家族に彼を連れて行ってもらったらいいじゃないか」

アドバイスを求めた私に、部長は淡々とした様子で返事をする。



「部長はどうしてそんなことが言うんですか?」

あまりにも部長の言葉が冷たくて、突き放したように聞こえてしまって、私は思わず部長に意見してしまった。


こんなことは初めてで、思わず口をついてしまった言葉に後悔を覚える。

目の前の部長だって、私の言葉に驚いた表情をしている。

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