翼の折れた鳥たちは
「じゃあ、僕はこれで帰るよ。お疲れ様」
「お疲れ様です」
部長はそれだけを言うと、暗闇の方へ歩いて行って次第にその姿は見えなくなった。
理学療法士を選んだ。
ううん、あの時からずっとそう決めていた。
もっと言えば、歌手を諦めた高校生の頃から、理学療法士で生きていく決めてたんだ。
後悔なんてするはずない。
だけど、どうしてだろう。
部長の背中が見えなくなったら一気に涙が零れ始める。
次から次へと、一度決壊した涙のダムは止まることを知らないみたいだ。
私はその場にしゃがみ込んで両膝に顔を埋めて泣くしかなかった。
『葵ちゃんの唄には、パワーがある』
私の頭の中には、出会ってからの敦也くんの声が響いていた。
「お疲れ様です」
部長はそれだけを言うと、暗闇の方へ歩いて行って次第にその姿は見えなくなった。
理学療法士を選んだ。
ううん、あの時からずっとそう決めていた。
もっと言えば、歌手を諦めた高校生の頃から、理学療法士で生きていく決めてたんだ。
後悔なんてするはずない。
だけど、どうしてだろう。
部長の背中が見えなくなったら一気に涙が零れ始める。
次から次へと、一度決壊した涙のダムは止まることを知らないみたいだ。
私はその場にしゃがみ込んで両膝に顔を埋めて泣くしかなかった。
『葵ちゃんの唄には、パワーがある』
私の頭の中には、出会ってからの敦也くんの声が響いていた。