翼の折れた鳥たちは
「再来週の金曜日。あと10日だね」
テラスに向かって車いすを漕ぐ、敦也くんと同じスピードで隣を歩きながら敦也くんが教えてくれる。
あと、10日しかないのか……。
「あぁあ。まだ10日もあるのか」
敦也くんがため息交じりに呟く。
「退院、楽しみ?」
この間まで、外の世界に出るのが怖いと言ってたじゃない。
「葵ちゃんもしかして淋しいの?」
ちょっとだけ恨めし気な視線を送ると、鼻でクスリと笑った敦也くんが肩をわざとらしく竦めた。
「不安がないわけではないよ。むしろ不安がいっぱい。だけどやりたいことも出来て、今の俺なら頑張れる。大変なことだって乗り越えられるって思えるんだ」
敦也くんの笑顔は眩しい夏の太陽みたいだ。
テラスに向かって車いすを漕ぐ、敦也くんと同じスピードで隣を歩きながら敦也くんが教えてくれる。
あと、10日しかないのか……。
「あぁあ。まだ10日もあるのか」
敦也くんがため息交じりに呟く。
「退院、楽しみ?」
この間まで、外の世界に出るのが怖いと言ってたじゃない。
「葵ちゃんもしかして淋しいの?」
ちょっとだけ恨めし気な視線を送ると、鼻でクスリと笑った敦也くんが肩をわざとらしく竦めた。
「不安がないわけではないよ。むしろ不安がいっぱい。だけどやりたいことも出来て、今の俺なら頑張れる。大変なことだって乗り越えられるって思えるんだ」
敦也くんの笑顔は眩しい夏の太陽みたいだ。