翼の折れた鳥たちは
見慣れたサイズのベッドのはずなのに、彼の手足が長いせいかいつものベッドがやけに小さく見える気がする。
少し太陽に焼けた肌の色、短髪の髪は、日光の影響もあってか、わずかに茶色がかっている。
きりっとした眉に彫刻品のような形の鼻。
口元には小さなホクロがあって、整った顔立ちをしている。
榎田さんのお母さんが『明るい子』って言ってたこともその風貌からなんだか分かる気がした。
この人は、きっと太陽の下が似合う。
こんな、病院のベッドの上よりも……
ふとそんな思いが頭に浮かんできた。
「榎田さん、こんにちは」
榎田さんの寝顔に吸い込まれそうになった自分を振り切って、私は声をかけた。
私の声に反応するように、榎田さんがゆっくりと瞼を開けた。