翼の折れた鳥たちは
「俺、車いすバスケでオリンピックに出たい。それから、大学行こうと思うんです。俺と同じように挫折した人を支えてあげるための仕事が出来る様に勉強したい」
敦也くんの言葉は力強くて、ぶれることなく真っすぐに伝わってきた。
隣で聞いていた敦也くんの両親も、きっと怪我して初めて敦也くんの夢を聞いたんだろう。
敦也くんのお父さんが、私たちに背を向けるようにして肩を震わせてた。
「死に向かって過ぎていくだけの時間じゃなく、その一瞬、一瞬をしっかりと生きていきたいんだ」
どこからともなく、拍手が沸き起こる。
「俺、結構いいこと言ったよね?」
敦也くんは照れ臭そうに冗談を口にしたんだった。