翼の折れた鳥たちは

「よかったぁ。顔色悪くないし、バイタルも安定してる」

星原さんは、ホッと安心した表情を浮かべた。

クリッとした真ん丸な瞳をキラキラさせて、目を細めて笑うと柔らかそうな唇から少しだけ見える八重歯と片頬にだけ出来る小さなえくぼ。


栗色の緩いウエーブのある髪の毛は、いつもきれいにまとめられている。

ふんわりとした印象なのに、どこか陰がある。

そして、まだ少し幼さとそれから自信のなさが隠しきれていない女の子。

女の子っていっても俺より２歳年上で、俺が目指していた理学療法士の仕事をしている。


事故に遭う前に付き合っていた彼女に、笑うとどことなく雰囲気が似ている気がしている。