翼の折れた鳥たちは
『私たち別れよう。ごめんね』
星原さんに雰囲気が似ている彼女から、奇跡的に助かった携帯電話に送られてきたメールはたったそれだけだった。
メールの日付は、事故から1週間経った頃。
俺がそのメールを読んだのは、それから2週間程経ってから。
返事を返すことも出来ず、その申し入れを受け入れることしか出来ない。
こんな状況じゃ、何も出来やしない。
あれ以来、俺の携帯電話は電源を入れていない。
毎日のように目を腫らして見舞いに来ていた両親も、見舞いが3日に1回程度の頻度になっている。
俺の状況に落ち着いたから少し安心したのか、それともショックで会いたくないのか。
まぁ、そんなことどちらでもいいけど。