微笑む女『短編』
一人の夜
深夜
ベッドの上、浅い眠りからふと目を覚ます。
足元のタオルケットを引き寄せ、再び目を閉じた。
一うん、このまま寝れそう…一
頭の中で、明日の1限目の授業は体育だから寝ておかなくちゃ、等と考える。
意識を遠く遠く持っていこうとした時、どこかで犬の吠える声が聞こえた。
せっかく、眠れそうだったのに…一。
どこの犬だろうか?
まどろみの中少し苛々しながら寝返りを打った時、視線を感じて目を開けた。
…誰か、いる…。
ギクリ、とわたしは確かめるように夜の戸張に目を凝らした。
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