微笑む女『短編』
 


愛する男の腕の中で、女は思う。


『娘なんか、いなくなればいい』


と。


かつて、同じことを奥様にも思ったことがある。


奥様が死んでくれたら…愛する男と幸せになれるのに。


そして、奥様が亡くなった今、やっと幸せになれるのに。


強く思う。


娘も…死んでしまえば、と。



< 18 / 26 >

この作品をシェア

pagetop