盲目のヴァンパイアがいる
私には盲目のヴァンパイアがいる 1章
日本のある所の住宅街に、周りとは一目で違う立派な家から、皆月若奈と言う女の人が夜の散歩に出ていた。
「たまの散歩は気持ちいいなー」
若奈は人通りの少ない所を歩いていた。
だが少し遠くからフードを目部下に被った怪しい人が若奈に近づいていった。
若奈はまだ気付いていなかった。
怪しい人は突然走り出した。
若奈はやっと気付いた、怪しい人を避けようとしたら、怪しい人は懐から小型ナイフを出して若奈の右腕の所を切りつけた。
夜にサングラスをかけてる男の名はデイビット・ヴィレンツと言う。
デイビットはヴァンパイアで今日のご馳走を探していた。
そんな時近くから血の匂いを嗅いだ。
「…これは、極上の血の匂いだ」
そう言って血の匂いを辿って行ったら、怪しい人と若奈を見つけた。
「何をしている!」
「…チッ」
デイビットに声をかけられた、怪しい人は逃げていった。
「おい、大丈夫か?」
「あ、はい。ありがとうございます」
若奈はデイビットにお礼を言った。
「怪我してるだろ、おい、家はどこだ送る」
「え、でも…」
「いいから言え」
「は、はい、あっちです」
若奈は自分の家のある方を差した。
「わかった」
デイビットは、怪我のしていない左腕を掴んで歩き始めた。
少しして、若奈は「この家」だと言った。
「そうか」
「あの、本当にありがとうござい…」
若奈は「ました」を言おうとしたらデイビットが遮った。
「開けろ」
「…え?」
若奈は聞き返した。
「だから、開けろ鍵掛かってんだろ?」
「え、あ、はい」
若奈はデイビットの言う通りにドアの鍵を開けた。
デイビットは即座にドアを開けズカズカと家の中に入って行った。
「手当てしてやるよ」
「え、いえ、そんな事しなくていいですよ…」
リビングにつくとそういった。
無理矢理若奈をソファーに座らせ、デイビットは床に膝をつき、怪我をした右腕の服の袖を捲り上げた。
「あ、あの…」
「少し黙ってろ…」
デイビットはそう言うと、怪我した所に顔を近づけ舌でなめあげた。
「ひえ!な、なにしてるんですか!?」
若奈の声に応えず怪我を舐めていたら、突然顔をあげた。
「ほら、治ったぞ」
「…え?ほ、本当だ…痕がない」
若奈は怪我していた場所を見るがその痕がなかった。
「お前の血の匂いといい、味といいお前の血は特別な物だな…」
「あの、あなた何をしたんです?」
「俺様はデイビットと言う、好きに呼べ。そして俺様はヴァンパイアだ」
「はあ、私は若奈、…ヴァンパイア?私を馬鹿にしてるんですか?」
若奈は不信がる。
「お前の怪我を治してやっただろう、それに見ろ牙もある」
「お前じゃなくて、若奈です!牙があるからって信じられません…」
「じゃあ若奈これなら信じるか?」
デイビットはそう言って立ち上がり、突然デイビットの周りに煙りが現れたがすぐに消えて、デイビットは居なくなったが、変わりに両手の平くらいある大きさの蝙蝠が若奈の目の前にいた。
「え、…デイビットさん?あれ、え?」
蝙蝠は若奈の膝の上に乗った。
「も、もしかして、あなたがデイビットさん?」
蝙蝠はそうだと言う様に、頭を縦に振った。
「…え、えー!」
若奈に覆い被さるようにして、蝙蝠から人間の姿に戻った。
「これで信じるだろ?」
若奈は呆けながらも、頷いた。
デイビットはそれを見て、納得し若奈の上から降りた。
「おい、若奈決めたぞ、俺様はここに住む」
「…は?ここに住むって、え?」
「理解出来なかったか?一緒に住むと言ったんだ」
「む、無理です!第一にお母さんもいるんですよ?」
「この家の匂いからして、余り帰って来ないだろう?」
デイビットは家の中の匂いで母親が余り帰ってこないと言い当てた。
「うぐ、お母さんは女優の仕事で忙しいから、確かに居ないけど…」
「なら良いじゃないか、何が駄目なんだ?」
「…そ、そんなのあなたが男で、私が女だからです!」
「ほう、俺様はそんな事気にしないが?」
「あなたが気にしなくても、私は気にするんです!」
若奈はソファーから立ち上がり否定する。
「俺様は年下には興味はないが、お前の血だけ興味がある。俺様はヴァンパイアだが目が見えていないんだ、だが若奈、お前の血を飲んで少しだけ見えた、だから俺様はお前の血が欲しい、一緒に居ては駄目か?」
「…だからサングラスを、……わかった居てもいいけどお母さんにばれない様にしてよね!」
「そうか、ありがとう」
デイビットは微笑んだが若奈は見逃してしまった。
「でも行動とか見えてる人と変わりない様に見えるけど?」
「気配とかで大体は分かる」
「なるほどね…あ、部屋はしょうがないから私と一緒ね、基本私と部屋に居る時は蝙蝠の姿でね!」
「しかたない、従おう」
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