盲目のヴァンパイアがいる
それからまた数日が経った、若奈は学校からの帰り道でまたエリオスに会う。
若奈は逃げようとするが、すぐにエリオスに追いつかれる。
「今日はただ話をしに来ただけだ」
「私にはないわ!」
「アイツとずっと一緒に居るより俺といた方がいいぜ」
「別に一緒にいたくて居るんじゃないわ、でもあなたといる方がもっといや」
「それはどうかな…じゃあな」
「…」
エリオスは蝙蝠になって飛んでいった。
若奈は少しの間放心していたが、我に返り家に帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえ…エリオスにあっただろう!?」
「あったけど話をしただけだよ」
「やっぱりアイツボコす…」
デイビットは玄関から出ようとするが若奈が止めた。
「いいよ、何もされてないし」
「…ならいい」
デイビットはエリオスを追うのをやめた。
それから1ヶ月は何もなかった。
だが数日が経ったある日、若奈は1人で夜に買い物に出ている時にエリオスが現れた。
「えっとなに買うんだっけ…」
だが若奈は気付いていなかった。
エリオスは若奈の背後に静かに現れ、若奈の首元に手刀をいれ気絶させた。
「うっ…」
気絶した若奈を抱き上げ、エリオスは背中から蝙蝠の翼をだし、飛び上がり居た場所から程近い廃墟の家に入って行き、1つの部屋の床に若奈を寝かせて、エリオスは若奈の両手を細い縄で縛った。
その頃のデイビットは若奈が帰って来ないのを不信がり、探しに外に出る事にした。
「おそい、…探しに行くか」
デイビットは外に出て、若奈の匂いを辿っていた。
「エリオスの匂いもするな、それを追って行くか」
デイビットは若奈の匂いの他にエリオスの匂いも嗅ぎ、一緒に居ると思いそのまま追うと決めた。
「……んっ、ここは?それに何で手縛られてるの?」
若奈は暫くして、起きるがこの場所が分かっていなく、それに両手が縛られていると分かる。
「起きたか…」
エリオスは若奈の方に少し近づく。
「あ、あなた!ちょっとこれほどいてよ!」
若奈はエリオスの声と姿を見て気付く。
「お前の血は特別だと知った、だから味見させてもらう」
エリオスは言いながら、若奈にどんどん近づき、そして若奈の頬に手を這わそうとする時、壊れた窓からデイビットが現れた。