盲目のヴァンパイアがいる
「ちょっと待て!」
「チッ、もう来たか」
「デイビット!」
「2度、3度と若奈に近づいてんじゃねーよ!俺様はお前に決闘を申し込む!」
デイビットは怒りながら言った。
「いいだろう」
エリオスはデイビットの決闘を受けた。
デイビットとエリオスはお互い近づいていき、後2,3歩でぶつかると言う所で止まり、2人は突然煙に包まれ蝙蝠になったのだった。
「決闘って蝙蝠の姿でするの?ただジャレてるみたい…」
若奈がそう言う様に2体の蝙蝠は空中でジャレている様に見えるのだった。
そんな時、2体の蝙蝠の1体がもう1体の頭にずっつきをして、ずっつきをされた方は床にユラユラと落ちた。
「あっ…」
「おい、俺様なら無事だ」
もう1体の蝙蝠は人間の姿に戻った、それはデイビットだった。
デイビットは蝙蝠姿のエリオスを片手でムズンと掴み、揺すり起こした。
「おい、もう俺様の若奈に手を出すんじゃねえ!それにもう近づくな!分かったか!?」
「(分かったから、放してくれ)」
デイビットはそれを聞き、エリオスを放した。
「分かったなら今すぐ、イギリスに帰れ!」
エリオスは蝙蝠姿で一生懸命に、頭を縦に振り外に飛び出していった。
「デイビットありがとう」
「大丈夫か?」
デイビットは若奈に近づき、両手の縄を解いた。
その後、若奈を抱き上げデイビットは背中から蝙蝠の翼を出し、外に飛び出して家の方に飛び帰る。
「若奈、ちょっと話がある」
「何?」
2人は家に帰ってきてリビングに居る。
デイビットは若奈の前に跪いた。
「我、デイビット・ヴィレンツは皆月若奈を愛してる、付き合ってくれ」
「え…駄目」
「な、何故だ!?」
「だって、私は人間だから…」
若奈は顔を逸らした。
「それでも俺様は若奈お前が好きだ、お前は俺様が嫌いか?」
デイビットは立ち上がり若奈を抱きしめる。
「きゃ…、それはズルいよ。はあ、わかった私もデイビットが好きよ」
「そうかよかった」
デイビットはそう言って、若奈の首元に牙を立て血を飲んだ。
そしたら、何てことだろうか、デイビットの目が完全に治ったのだった。
「…ちょっとムード台無しよ」
「若奈…お前の顔がハッキリ見える、目が治ったぞ!」
「本当?よかったね!」
若奈は泣き出した。
「泣くな若奈」
「だって…嬉しくて」
デイビットはそんな若奈の唇にキスをした。
「止まったか?」
「…うん、驚いて止まった」
「ふっ、そうか」
可笑しくて2人で笑っていた。