盲目のヴァンパイアがいる
私には付き合ってるヴァンパイアがいる 2章
あれから1年半と9ヶ月たったある日、若奈の家に人が訪ねてきた。
「えっと、どちら様ですか?」
「私はデイビットの母、アビゲイルですわ」
「母さんなんでここに?」
デイビットは尋ねた。
「話は家に入ってからですわ」
「あ、そうですね、どうぞ」
アビゲイルを家に招き入れ、リビングに通し椅子に座ってもらった。
「それで来た理由は?」
「デイビットが付き合っている子が居ると聞いてまいりましたのよ?その子でしょう?見たところまだ同族にはなっていない様だけど、いつ同族にするつもりなのかしら?」
「それは…」
「同族って私がヴァンパイアになれるって事ですか?」
若奈はアビゲイルの言葉に驚いていた。
「あら、デイビットあなた、教えていなかったの?」
「ああ、時期を見て言う予定ではあった…」
デイビットは歯切れ悪く言った。
「因みにヴァンパイアになるにはどうするんですか?」
「そうね。1、お互いが心から想い合ってる事。2、棺桶が必要。3、満月の夜である事。最後はとっても重要よ。4、あなたが心からヴァンパイアになりたいと願っている事。この4つが主に必要ね。それとヴァンパイアにならないなら別れてもらうわ、それじゃあ今日はもうホテルに帰るわね、決まったら連絡を頂戴な」
アビゲイルはそう言い椅子から立ち上がり1人で帰って行った。
「…なんでヴァンパイアになれる事黙ってたの?」
「お前がまだ日本では成人になっていないのと、ヴァンパイアになる段階で1つでも当てはまらなかったら、若奈お前は死ぬんだぞ?それを言えと?」
「でも、アビゲイルさんからよりデイビットの口から言ってほしかった…」
「黙っててすまない、まあ決めるのは若奈だ返事は何時でもいい待っている」
デイビットは若奈を抱きしめる。
「わかった、考えてみるよ…」
若奈は抱きしめ返した、その顔はデイビットには見えなかったが、思案顔になっていた。
その日はこれで終わった。