盲目のヴァンパイアがいる
若奈は悩みに悩んで、3ヵ月後ついに答えをだした。
「デイビット話があるの…」
「その顔は決めたんだな」
「うん、私ヴァンパイアになる!」
「…わかった、だけど20歳になって、最初の満月の夜まで待っていろ、準備もあるからな」
デイビットは若奈の決意に負け了承する。
「分かった、あ、お母さんに言わないと!」
「雪奈に言うのか…分かったそうしよう」
「お母さんに電話で何時帰ってくるか聞いてくる」
若奈は自室に電話をしに行った。
デイビットは窓を開けて口笛を小さく吹いた。
そしたら猫が1匹デイビットの近くに来た。
「母親のアビゲイルに棺桶を1つ用意してほしいと伝言してくれ」
「にゃー」
猫は1鳴きして、去っていった、それを見たデイビットは窓を閉めた。
「デイビットそこでなにしてるの?」
すると自室に行っていた若奈が戻ってきた。
「あ、いや別になにも、雪奈はなんて?」
「明日帰ってくるって」
「そうか分かった」
次の日の夜に雪奈が帰ってきた、3人はテーブルを挟んで椅子に座っている。
「お母さん話があるの」
「なに?大事な話?」
「そう、大事な話、単刀直入に言うけど私ヴァンパイアになるって決めたから…」
若奈は真剣な顔で言った。
「あら、そうなの?もうなってるものだと思ってたわ?」
「え!?」
雪奈の言葉に若奈は驚く。
「だってドラマとかでヴァンパイアになれたりするのあるじゃない!だから私が居ない時にもうなったのかと思ってたわ、それでどうやってヴァンパイアになるの?」
「それは若奈の首元を俺様が噛んで毒を送るんだ、まぁ他にもすることがあるが、基本雪奈は何もしなくていい、ただ待つだけだ」
「あら、そうなのね、分かったわ。私は仕事しても良いって事ね」
雪奈はそう言って立ち上がり、自室に戻って行ってしまった。
それから数日後やっと若奈の20歳の誕生日になった。
「若奈、誕生日おめでとう、これは俺様からのプレゼントだ」
デイビットは若奈に小さい箱を渡した。
「ありがとう、開けても?」
「ああ」
若奈は箱を開けた。
「え?ゆ、指輪?」
「ヴァンパイアになるイコール実質、結婚したも同然だ」
「そ、そうなんだ」
若奈は若干照れた。
「つけてやるよ」
デイビットはそう言うと、若奈の左手の薬指に指輪をつけた。
「わー、素敵!ありがとう」
この日は2人を幸せが包んだ。