盲目のヴァンパイアがいる
私には婚約者のヴァンパイアがいる 3章
ヴァンパイアになって約1年、やっとヴァンパイアの身体に慣れた若奈だった。
「あー、やっと色々と慣れてきたよー!」
「若奈は早い方だ、中には数年やっても慣れない奴もいるんだ、だから若奈は才能があるんだきっと」
2人は夜の散歩と称して、蝙蝠の姿で空を飛んでいた。
「それならいいなー、そろそろアビゲイルさんに会いにイギリス行かないとね」
「そう言えばそうだな、若奈が慣れてから行こうって決めてたもんな。鳥達にお願いして母さんに近々イギリスに行くって伝えてもらおう」
「うん!さ、そうと決まったら、早く帰って明日のために早く寝よう!」
若奈は自分の家へと身体を向けた。
「お、おう」
デイビットも若奈と一緒に身体の向きを変え、帰宅する為飛んで行った。
「ふー、ただいまーっと」
自分の部屋の空いている窓から中に入った2人は、蝙蝠の姿から人間の姿に戻した。
「さ、寝よう!」
若奈はすぐにベッドに入った。
「お、おう」
デイビットはうろたえながらも返事をしベッドに入る。
「…こうやって寝るのもなんか慣れてきたね」
「そうか…明日早起きするんだろ?寝よう」
デイビットは若奈の頬を軽く撫でる。
「うん!おやすみ」
「おやすみ若奈」
デイビットは若奈に軽く触れるキスを送る。
2人は眠りについた。
次の日の朝。
「そうだ、アビゲイル・ヴィレンツに伝言を頼む、遠いがよろしくな」
デイビットは鳥に話しかけていた、が終わったのか鳥が飛び立つのを見て窓を閉めた。
「…んー、……おはよう」
そんな中やっと目が覚めた若奈だった。
「おはよう」
軽く若奈の頬にキスをするデイビット。
「何してたの?」
「鳥に母さんへの伝言を頼んだ所だ」
「そっか、じゃあ返事またないとね」
若奈はベッドから降りて、伸びをした。
それから2週間後、アビゲイルから手紙が届いた。
「アビゲイルさん、からは何て?」
「イギリスに来るのを皆で楽しみにしてるってさ」
アビゲイルからの手紙を、デイビットが簡単に読み上げる。
「皆で…?」
「同族が結構大きい城に一緒に住んでるんだよ、まあ時々バラけることもあるけどな」
「へーそうなんだ、これから会うのドキドキするなー」
「そんなに緊張しなくていい、皆いい奴だからさ」
デイビットが若奈の頭を乱暴に撫でた。
「もう!髪がグチャグチャになっちゃったじゃん、でもありがとうおかげで少し気が楽になったよ」
「イギリスに行く用意しないとな、イギリスは気温の変化が多いから薄手のだけじゃなく、カーディガンなんかも持って行けよ一応」
「ヴァンパイアだからって油断するなって事ね、分かったわそうする」
若奈はそう言いつつ、クローゼットを開けて持っていく服を選び始めた。
「何日分必要かな?」
「観光も兼ねて1週間って言ってある」
「観光も出来るの?やった!」
「住んでる所から都会が遠いから、1日、2日間で観光して、1日移動して、3日間城に滞在、1日で帰るって感じだな」
デイビットの観光って言葉に喜ぶ若奈。
「分かった、デイビットも用意したら?」
「そうだな、するか」
2人そろってイギリスへ行く準備をしている。
「お母さん、アビゲイルさんに会いにイギリスに行って来るからね1週間」
「そう、気をつけて行くのよ」
「何かあっても、俺様が居るから大丈夫だ」
「確かにそうね!」
3人は玄関の所で話をしている。
「じゃ行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
若奈とデイビットは玄関の扉を開け外に出て、タクシーに乗り空港に着き飛行機に乗りイギリスへと飛び立った。