混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
立ち上がり、室外の様子を確かめに出て行くマイケルに精一杯叫んだが、アレンの声は無視された。
開け放たれたドアからは、階段の下からやってきたのか、二名の足音が続く。
一人は、ガブリエル・イザード、すると、もう一人が、噂のリリ・ドミニスか、ちらりとしか見る事はできなかったが、あらかじめ女性だと知らなければ、長身の美青年だと思っただろう。アレンは思った。
浅黒い肌に長い髪を束ねた姿は、どこか野性的にも見える。
どちらかというと、線の細い印象なマイケルとは、見た目からして対象的であるし、だからこそ似合いの一対のようにも見える。
まあ、自分にはどうでもいいか、と、ひとりごちながら、アレンはベッドからそっと降りて、両手両足を拘束されつつも、跳びはねるようにして扉の方へ近寄った。
ベッドに括りつけられていなかったのがこの場合は幸いした。
蛙のように飛び跳ねながら、扉に取り付いたアレンが見たのは、力技でドアを叩き壊した従姉妹の姿だった。
「あっ……」
その場にいる、アレンとイライザ以外の人間が、固まって言葉を失っていた。
開け放たれたドアからは、階段の下からやってきたのか、二名の足音が続く。
一人は、ガブリエル・イザード、すると、もう一人が、噂のリリ・ドミニスか、ちらりとしか見る事はできなかったが、あらかじめ女性だと知らなければ、長身の美青年だと思っただろう。アレンは思った。
浅黒い肌に長い髪を束ねた姿は、どこか野性的にも見える。
どちらかというと、線の細い印象なマイケルとは、見た目からして対象的であるし、だからこそ似合いの一対のようにも見える。
まあ、自分にはどうでもいいか、と、ひとりごちながら、アレンはベッドからそっと降りて、両手両足を拘束されつつも、跳びはねるようにして扉の方へ近寄った。
ベッドに括りつけられていなかったのがこの場合は幸いした。
蛙のように飛び跳ねながら、扉に取り付いたアレンが見たのは、力技でドアを叩き壊した従姉妹の姿だった。
「あっ……」
その場にいる、アレンとイライザ以外の人間が、固まって言葉を失っていた。