混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
甲板からの景色は美しいけれど、やはり人目があるからと、より近いイライザ達のキャビンへ向かったところ……。
扉の向こう側に、不穏な気配を感じながら、イライザが薄く扉を開け、そして、すぐに閉めた。
中には、いつのまにか戻ってきたリリと、マイケルがおり、『見た』事に気づかれると差し障りのありそうな展開へ発展していた事に、イライザはほとほと困って、他の場所を探そうとした。
しかし、ガブリエルの個室へ行く事を、ガブリエルはやんわりと断った。
「二人きりで、密室は、多分、まずいです、……その、自分を抑える自信がありません……、あなたがそれでいいのでしたら、私はかまいませんが」
身の危険を感じたイライザがとった手段はひとつだった。
「……僕は、食い気に走るつもりだったと言っておいたんだけど……」
ほとほとうんざりした様子で、アレンが言った。
しばらくマイケルが戻って来ないであろう事を告げると、そういう事ならやむをえまい、と、マイケルとアレンのキャビンに、今度は、ガブリエル、アレン、イライザの三人で集まっていた。
「あの……、私、旅行記を完成させたいんです、その、それまで、待っていただいてもいいでしょうか」
まるでお見合いのように、向き合って座るガブリエルとイライザ。今度はアレンが椅子の方に座っている。
これではまるで、結婚式の時の介添人じゃないか、と、不本意そうにふんぞりかえったアレンは、しかし、イライザが自分の言葉で、自分の思いを伝えている事を、満足そうに見守っていた。
「もちろんです! 私も、読みたいです!」
そう言うガブリエルは、すっかりイザベラ・クリフトンの著作を待つ者の顔に戻ってしまっていた。
「あー、はいはい、そしたら、こちらも一応決着という事でよいのかな、だったら僕は食事に戻ってもいいだろうか」
そう言って、アレンは立ち上がり、扉に手をかけ、部屋に残しておく予定の二人を見て言った。
「言っておくけど、戻ってくるから、それまでは、好きにすればいいと思うけど、戻ってくるからね!」
戻ってくる事の、念を押すようにして、アレンは扉を閉めた。
扉の向こう側に、不穏な気配を感じながら、イライザが薄く扉を開け、そして、すぐに閉めた。
中には、いつのまにか戻ってきたリリと、マイケルがおり、『見た』事に気づかれると差し障りのありそうな展開へ発展していた事に、イライザはほとほと困って、他の場所を探そうとした。
しかし、ガブリエルの個室へ行く事を、ガブリエルはやんわりと断った。
「二人きりで、密室は、多分、まずいです、……その、自分を抑える自信がありません……、あなたがそれでいいのでしたら、私はかまいませんが」
身の危険を感じたイライザがとった手段はひとつだった。
「……僕は、食い気に走るつもりだったと言っておいたんだけど……」
ほとほとうんざりした様子で、アレンが言った。
しばらくマイケルが戻って来ないであろう事を告げると、そういう事ならやむをえまい、と、マイケルとアレンのキャビンに、今度は、ガブリエル、アレン、イライザの三人で集まっていた。
「あの……、私、旅行記を完成させたいんです、その、それまで、待っていただいてもいいでしょうか」
まるでお見合いのように、向き合って座るガブリエルとイライザ。今度はアレンが椅子の方に座っている。
これではまるで、結婚式の時の介添人じゃないか、と、不本意そうにふんぞりかえったアレンは、しかし、イライザが自分の言葉で、自分の思いを伝えている事を、満足そうに見守っていた。
「もちろんです! 私も、読みたいです!」
そう言うガブリエルは、すっかりイザベラ・クリフトンの著作を待つ者の顔に戻ってしまっていた。
「あー、はいはい、そしたら、こちらも一応決着という事でよいのかな、だったら僕は食事に戻ってもいいだろうか」
そう言って、アレンは立ち上がり、扉に手をかけ、部屋に残しておく予定の二人を見て言った。
「言っておくけど、戻ってくるから、それまでは、好きにすればいいと思うけど、戻ってくるからね!」
戻ってくる事の、念を押すようにして、アレンは扉を閉めた。