混戦クルーズ！ 造船王は求婚相手を逃さない

　アレンが立ち去った後、イライザとガブリエルは、向き合って座ったまま、色々な話をした。

　これから向かう港の事、ララティナ港にも、まだ、見るべきものが沢山あるという事。

「旅が終わったら、私の求婚を受けていただけるでしょうか」

　控えめなガブリエルの提案に、イライザが控えめに承諾の言葉を送ると、二人はしばらく見つめ合って、互いの手をとった。手が熱を帯びて、二人が身を寄せあおうとした。

　というところで、アレンが戻ってきた。

「あれ、思ったより進んでなかった」

　扉を開けるなり悪態をついたアレンに、イライザがわずかに反抗の声をあげたが、アレンは、その言葉を無視して、ガブリエルに、イライザにはわからないように微笑みを向けた。