混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
6)旅の道連れ
イライザのふりをした、女装したアレンは、まずまずガブリエルに好かれたようで、イライザは大いに喜んだが、アレンは心穏やかでは無かった。
『青い不死鳥号』乗船の前日、アレンは怒ってイライザの部屋にやって来た。
「どうして僕まで君と一緒に旅に出なくちゃいけないんだ!」
「あれ? でも、乗ってみたかったんじゃないの? 『青い不死鳥号』に」
「うう……確かに、動いている『青い不死鳥号』を見たいとは思ったけど……」
「ほら! よかったじゃない!」
「だからって、乗ってる間はずっと女装なんだよ? しっ、しかも、君の身代わりとしてなんて、無理だよ! 絶対無理!」
「イザベラ・クリフトンとしてではなくて、イライザ・アトキンソンとしてよ? 別に、社交的にふるまう必要は無いし、イザード氏の相手をしていてくれさえすればいいんだから」
「それで、もし、僕が襲われたらどうするんだよ」
「その時は、ほら、男だって事をバラしちゃえば」
「自分を騙していた相手を船に乗せ続けてくれると思う? いいとこ、洋上で鮫の餌だ」
「まさか、いくらなんでもそんな事は……」
「もし、自分が同じ目にあったらどんな気持ちになる?」
アレンにずばり言われて、イライザは言葉に詰まる。
たとえば、自分が好意を持った相手が実は女性で、男装していたとしたら。
確かに、騙されていたと思うだろう。
「……でも、洋上の船から追い出すような真似はさすがに……」
イライザはいいよどんだ。
「体調不良を理由に断るわけにはいかないかな……、僕だって、あの船で旅ができたらどんなにいいかって思うけどさ……」
「じゃあ、一緒に行きましょう? 私、アレンが一緒なら心強いし」
それは、イライザの本心だった。
『青い不死鳥号』乗船の前日、アレンは怒ってイライザの部屋にやって来た。
「どうして僕まで君と一緒に旅に出なくちゃいけないんだ!」
「あれ? でも、乗ってみたかったんじゃないの? 『青い不死鳥号』に」
「うう……確かに、動いている『青い不死鳥号』を見たいとは思ったけど……」
「ほら! よかったじゃない!」
「だからって、乗ってる間はずっと女装なんだよ? しっ、しかも、君の身代わりとしてなんて、無理だよ! 絶対無理!」
「イザベラ・クリフトンとしてではなくて、イライザ・アトキンソンとしてよ? 別に、社交的にふるまう必要は無いし、イザード氏の相手をしていてくれさえすればいいんだから」
「それで、もし、僕が襲われたらどうするんだよ」
「その時は、ほら、男だって事をバラしちゃえば」
「自分を騙していた相手を船に乗せ続けてくれると思う? いいとこ、洋上で鮫の餌だ」
「まさか、いくらなんでもそんな事は……」
「もし、自分が同じ目にあったらどんな気持ちになる?」
アレンにずばり言われて、イライザは言葉に詰まる。
たとえば、自分が好意を持った相手が実は女性で、男装していたとしたら。
確かに、騙されていたと思うだろう。
「……でも、洋上の船から追い出すような真似はさすがに……」
イライザはいいよどんだ。
「体調不良を理由に断るわけにはいかないかな……、僕だって、あの船で旅ができたらどんなにいいかって思うけどさ……」
「じゃあ、一緒に行きましょう? 私、アレンが一緒なら心強いし」
それは、イライザの本心だった。