混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
ダメだ、正気に戻りなさい、イライザ。私が記者をやっているのは、目の前のこの男に認めてもらいたい為では無かったはず。
甲板に出ると、ガブリエルにエスコートされる形であらわれたイザベラに対して、ひそやかな声があがった。それは、主に女性の声だった。
「あの方は? イザード様とご一緒なのは?」
「記者の方だそうよ、どうりで、質素な身なりでいらっしゃる、私、男性かと思いましたわ」
男性にひそひそ言われる事には慣れているイライザだが、今回は同行者のせいか女性からの声の方が大きく聞こえる。
「イザードさん、私は、取材がありますので、こちらで失礼いたします」
これ以上目立つのは困る、と、イライザが申し出ると、
「そうですか、......そうですね、しかし、レディ・クリフトン、できれば私の事はガブリエルとお呼び下さい」
ガブリエルには他意は無いのだろう、極上の笑顔で言うと、女性達からのなんとも言えない刺々しい視線がささるのを感じながら、かろうじてイライザは言った。
「ありがとうございます、では、私の事もイザベラと」
言うやいなやイライザは踵を返し、アポイントをとっておいた『青い不死鳥号』スタッフの元へ急いだ。
甲板に出ると、ガブリエルにエスコートされる形であらわれたイザベラに対して、ひそやかな声があがった。それは、主に女性の声だった。
「あの方は? イザード様とご一緒なのは?」
「記者の方だそうよ、どうりで、質素な身なりでいらっしゃる、私、男性かと思いましたわ」
男性にひそひそ言われる事には慣れているイライザだが、今回は同行者のせいか女性からの声の方が大きく聞こえる。
「イザードさん、私は、取材がありますので、こちらで失礼いたします」
これ以上目立つのは困る、と、イライザが申し出ると、
「そうですか、......そうですね、しかし、レディ・クリフトン、できれば私の事はガブリエルとお呼び下さい」
ガブリエルには他意は無いのだろう、極上の笑顔で言うと、女性達からのなんとも言えない刺々しい視線がささるのを感じながら、かろうじてイライザは言った。
「ありがとうございます、では、私の事もイザベラと」
言うやいなやイライザは踵を返し、アポイントをとっておいた『青い不死鳥号』スタッフの元へ急いだ。