混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
イライザがガブリエルと別れると、待っていましたとばかりに、ガブリエルは女性達に囲まれている。それは、まるで飢えた野獣の檻に放り込まれた極上肉のようだった。
あやういところだったと、イライザは胸をなで下ろし、取材の為にその場を去ろうと、足を速めた、が、しかし。
「あなた、何者なの?」
三人の女性が、イライザの行く道を阻むようにして並んだ。
本命の餌の方に飛びついてくれなかった狩人がいたようだ、と、イライザは思った。
「何者か、と、問われれば、『サンシャイン・ワールド』誌の記者ですが……」
人に名を尋ねる時は自分から、とでも言ってやりたかったが、余計な事を言って話を長引かせたくなかったイライザは、素直に自分の所属を言った。
しかし。
「サンシャイン・ワールド誌! おお、いやだ! 有名なゴシップ誌じゃないの!」
三人の女の中で、もっとも痩せて背の高い、目の覚めるような色味のドレスを身にまとった女性が、軽蔑するように言い放った。
「しかも女性記者だなんて! いやだわ、記事を書くためには、どんな事でもやりそうね、およそ貴婦人にはできないような事も」
一番小柄で、胸元の肉付きのよさをひときわ強調するようなドレスを着た女が、けがらわしいものでも見るようにして、しなを作る。
けがらわしいのはどっちだよ、と、イライザは思ったが、今は耐えねばと、押し黙った。
最後に、二人をとりまきのように侍らせている、衣装も派手だが、それに負けない美貌で、目を惹く女が言った。
「彼女は、本当に貴婦人なのかしら、生まれも育ちもよろしく無いから、男性にまざってこのような仕事をされているのでしょう?」
あやういところだったと、イライザは胸をなで下ろし、取材の為にその場を去ろうと、足を速めた、が、しかし。
「あなた、何者なの?」
三人の女性が、イライザの行く道を阻むようにして並んだ。
本命の餌の方に飛びついてくれなかった狩人がいたようだ、と、イライザは思った。
「何者か、と、問われれば、『サンシャイン・ワールド』誌の記者ですが……」
人に名を尋ねる時は自分から、とでも言ってやりたかったが、余計な事を言って話を長引かせたくなかったイライザは、素直に自分の所属を言った。
しかし。
「サンシャイン・ワールド誌! おお、いやだ! 有名なゴシップ誌じゃないの!」
三人の女の中で、もっとも痩せて背の高い、目の覚めるような色味のドレスを身にまとった女性が、軽蔑するように言い放った。
「しかも女性記者だなんて! いやだわ、記事を書くためには、どんな事でもやりそうね、およそ貴婦人にはできないような事も」
一番小柄で、胸元の肉付きのよさをひときわ強調するようなドレスを着た女が、けがらわしいものでも見るようにして、しなを作る。
けがらわしいのはどっちだよ、と、イライザは思ったが、今は耐えねばと、押し黙った。
最後に、二人をとりまきのように侍らせている、衣装も派手だが、それに負けない美貌で、目を惹く女が言った。
「彼女は、本当に貴婦人なのかしら、生まれも育ちもよろしく無いから、男性にまざってこのような仕事をされているのでしょう?」