混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
『転がる子豚亭』の名物は、店名に反して魚だった。
「さすが港町、美味しい〜ッ!」
揚げた魚と、店特性ソースの取り合わせは、酸味と白身魚の味わいとよく合って、思わずイライザはビールを注文し、一息で飲み干した。
そんなイライザの食べっぷりを、三人の女達はほれぼれとして見ていた。
少々無作法なくらいが、美味しい様子は伝わるのか、イライザの食べっぷりにつられて、他のテーブルからも、あの姉ちゃんと同じやつを、と、立て続けに注文が入っていた。
「はい、こいつはサービスね」
最初に会った女将が、イライザの目の前に新しいジョッキを置いた。
イライザが驚いて女将を見ると、
「あんたのおかげで注文が増えたからね、お礼だよ」
そう言って、女将はすぐに、出来上がった皿を持ってテーブルの方を周った。
イライザはすっかり気をよくして周囲に薦められるがままに盃を重ねた。
そして、はた、と、気づいた。
そういえば、店内に入っていったと思しきガブリエルの姿が見えない。
もしやこの店に入ったのでは無かったか、と、見回すと、階段を降りてきた人物と目が合った。
それは、男女の二人連れだった。
女の方は、長身で、肌が浅黒く、胸元が広く開いたドレスを着て、なおかつ見劣りしない体躯の持ち主だった。
迫力のある、ララティナ美人。
黒く波打つ豊かな髪をゆるやかにひとまとめにして、メリハリのある体の線は、女のイライザが見てもドキドキするものがあった。
そして、その連れと思しき男性は……。
「……イザベラ?」
「イザード、さん……」
まさに、イライザが見かけ、気まぐれに後を追ってきたガブリエル・イザード氏、その人だった。
「さすが港町、美味しい〜ッ!」
揚げた魚と、店特性ソースの取り合わせは、酸味と白身魚の味わいとよく合って、思わずイライザはビールを注文し、一息で飲み干した。
そんなイライザの食べっぷりを、三人の女達はほれぼれとして見ていた。
少々無作法なくらいが、美味しい様子は伝わるのか、イライザの食べっぷりにつられて、他のテーブルからも、あの姉ちゃんと同じやつを、と、立て続けに注文が入っていた。
「はい、こいつはサービスね」
最初に会った女将が、イライザの目の前に新しいジョッキを置いた。
イライザが驚いて女将を見ると、
「あんたのおかげで注文が増えたからね、お礼だよ」
そう言って、女将はすぐに、出来上がった皿を持ってテーブルの方を周った。
イライザはすっかり気をよくして周囲に薦められるがままに盃を重ねた。
そして、はた、と、気づいた。
そういえば、店内に入っていったと思しきガブリエルの姿が見えない。
もしやこの店に入ったのでは無かったか、と、見回すと、階段を降りてきた人物と目が合った。
それは、男女の二人連れだった。
女の方は、長身で、肌が浅黒く、胸元が広く開いたドレスを着て、なおかつ見劣りしない体躯の持ち主だった。
迫力のある、ララティナ美人。
黒く波打つ豊かな髪をゆるやかにひとまとめにして、メリハリのある体の線は、女のイライザが見てもドキドキするものがあった。
そして、その連れと思しき男性は……。
「……イザベラ?」
「イザード、さん……」
まさに、イライザが見かけ、気まぐれに後を追ってきたガブリエル・イザード氏、その人だった。