混戦クルーズ！ 造船王は求婚相手を逃さない

「どうぞ、お続け下さい、ですが、その内容によっては、僕はイライザの兄同然の身として、あなたに挑まなくてはならなくなるかもしれませんが」

　三人三様、誰もが譲らず、結局膠着状態はそのまま、というところで、やっとイライザが言った。

「イザードさん、こうしていても、時間が過ぎるばかりです、私は、私の仕事に戻ります、旅行記は、船での出来事だけを綴るものではありません、ララティナ港について書くには、見聞が足りません、出港は明日、もう時間は無いのです、この話は出港してから、青い不死鳥号で、と、延期させていただけないでしょうか」

　イライザの提案に、ガブリエルとアレンは従う事にした。

　ともかく、アレンとイライザは身なりを整えなくてはならない、一旦ホテルへ戻りたい旨を伝えたところ、ガブリエルが別の提案をした。

「時間が無いのでしたら、こうするのはどうでしょう」