混戦クルーズ! 造船王は求婚相手を逃さない
一方、アレンの方は、笑い出しそうになる自分を抑えながら、必死でイライザを案じる『ふり』をした。
存在しないイライザを探している間、時間を稼ぐことができる。
そして、未だにマイケルがイザベラとイライザが同一人物である事を知らない、という事は、ガブリエルとの情報交換が成されていない事を意味する。つまり、この件に、というか、イライザを拉致するという事に、ガブリエルは関与していないという事だ。
海軍関係者とマイケル、イザード造船と軍を繋ぐ役割を持つのがマイケルだとすれば、縁談の相手であるイライザの存在は邪魔だという事だ。
「こういうやり方をするという事は、海軍との繋がりは、イザード造船には好ましくない事、という事なのかな?」
「それは、ガブリエル個人の考えですよ、長期的な視野にたてば、軍との繋がりをより強固にしておくに越したことは無い」
「本当にビジネスとしてそれが成立するなら、婚姻による繋がりの強化、なんてのは不要なんじゃないかなあ」
アレンは、マイケルを挑発するように言う。自分に対して悪意が向けば向くほど、次への手立てが遅くなるはずだ。事業には、何においても速度が要求される。少なくとも、ブルームーン商会ではそうだ。
存在しないイライザを探している間、時間を稼ぐことができる。
そして、未だにマイケルがイザベラとイライザが同一人物である事を知らない、という事は、ガブリエルとの情報交換が成されていない事を意味する。つまり、この件に、というか、イライザを拉致するという事に、ガブリエルは関与していないという事だ。
海軍関係者とマイケル、イザード造船と軍を繋ぐ役割を持つのがマイケルだとすれば、縁談の相手であるイライザの存在は邪魔だという事だ。
「こういうやり方をするという事は、海軍との繋がりは、イザード造船には好ましくない事、という事なのかな?」
「それは、ガブリエル個人の考えですよ、長期的な視野にたてば、軍との繋がりをより強固にしておくに越したことは無い」
「本当にビジネスとしてそれが成立するなら、婚姻による繋がりの強化、なんてのは不要なんじゃないかなあ」
アレンは、マイケルを挑発するように言う。自分に対して悪意が向けば向くほど、次への手立てが遅くなるはずだ。事業には、何においても速度が要求される。少なくとも、ブルームーン商会ではそうだ。